【サボテン】燃える心、偉大、暖かい心、枯れない愛
2024年03月07日

「……なんすか、これ」
「サボテン以外の何に見えるんだ」
お前の目は節穴か?と最後に付け足され、思わずハボックは溜息を漏らした。東の砂漠での視察土産だとロイが差し出したものだから、あわよくば高価な宝石か何かだと思ったのだけれど、まあ、そんなはずもなく。だからといって、小さな鉢植えに一本のサボテンというものがはたして恋人への土産に成り得るのか、それが現状一番の問題点である。
「枯らすなよ」
ロイの人差し指が意味ありげに示したメッセージカードには、サボテンの花言葉が書かれている。そうか、そういうことか。
「……Yes,sir」
直接的な愛の言葉もいいが、こういう間接的な演出をされると堪らなく愛おしいな、とハボックは笑った。